同軸ケーブルとは?選び方からコネクタの注意点を解説

同軸ケーブルとよばれる、ケーブルをご存知でしょうか?同軸ケーブルは、電気通信を行う際に用いられるケーブルの一つです。同軸ケーブルには、数多くの種類があります。テレビを見ているとノイズが発生したり、映りが悪かったりするケースでは、同軸ケーブルに問題があるかもしれません。ここでは、同軸ケーブルに焦点を当て解説をしていきます。

同軸ケーブルとは?

同軸ケーブルとは?

同軸ケーブルについてですが、一般的に電気通信を行う際に使われる、被覆電線の一つです。同軸ケーブルの断面は、層が重なった形状をしており、高周波信号における伝送用ケーブルです。放送機器や無線通信機器、電子計測器、ネットワーク機器などに接続して使われます。

同軸ケーブルの歴史では、オリヴァー・へヴァサイドによって1880年に発明され、古くから存在するケーブルであることがわかります。

同軸ケーブルは、直流または低周波において、広く使われています。同軸ケーブルの設計や材料、仕様にもよりますが、高周波においてはミリ波まで、幅広い周波数の範囲を伝送することが可能なのです。

同軸ケーブルの例ですが、次のようなものが挙げられます。

・計測機器における信号・音声信号

・テレビ受像機や無線機とアンテナを接続する給電線用

・映像信号における伝送用

・旧規格のLAN

これらは、機器内部の配線のためのものや構内回線網で接続するためのものなどがあります。

同軸ケーブルの特徴では、外部への電磁波が漏れにくいことや柔軟性があること、不平衡接続であることが挙げられます。

また、同軸ケーブルは、特性インピーダンスが指定されない場合においては、シールド線とみなし、同軸ケーブルと区別するケースがあります。

同軸ケーブルと一緒に使うコネクタについては、用いられる周波数帯、インピーダンスにおける特性で、さまざまな種類があることを知っておきましょう。

同軸ケーブルの構造

次に構造についてみていきましょう。

同軸ケーブルは、円形状の内部導体を絶縁体が囲っています。またその周りを外部導体が囲っており、一番外側はシースとよばれるビニル・保護被覆で覆われています。

同軸ケーブルという名称がつけられている由来として、ケーブルを切断した時の断面が円筒を何重にも重ねたように見えることでこのような名称がついています。

一般的な同軸ケーブルの原材料についてですが、絶縁体に関してはポリエチレンでできています。外部導体については、細い銅線で編まれた編組線とよばれるものが一般的ですが、アルミニウム箔や銅箔といった金属箔でできたものも存在します。これらの素材が使われる理由として、精密測定を行う際や極超短波以上の周波数で使用するシーンにおいて、高周波数帯における遮蔽率を高められるためです。

同軸ケーブルの種類

同軸ケーブルの種類および種類について見ていきましょう。

同軸ケーブルが使われるシーンとしては、テレビへの接続や無線通信など、さまざまな電気通信を行う際に使われますが、用途に応じて種類を使いわけなければなりません。

同軸ケーブルの種類によっては、以下のようなものに違いがでてきます。

・インピーダンス

・ケーブルの太さ

・内部の素材

インピーダンスとは、交流回路においてどれだけ電流が流れにくいかを表しており、Ω(オーム)とよばれる単位が使われます。

一般的には、テレビ機器では75Ω、無線通信では50Ωとなっています。

無線通信に関しては、災害時の防災無線としての使用用途が多いです。その他では、耐熱用や監視カメラ用、漏洩用、電力線の配送用といった場面で使われます。

同軸ケーブルの選び方

一般的に、同軸ケーブルは、テレビ接続用が多いのが実情です。ここでは、同軸ケーブルの正しい選び方について解説をしていきます。

テレビ用は75Ω

テレビ用で使用するのであれば、75Ωのものを選びます。また商品のパッケージにテレビ用と記載しているものであれば、問題ありません。

例えば記号でS-5C-FBとあった場合、Cの部分が75Ωであることを示しているので、この記載があるものを選んでください。

余談ですが、テレビ放送が始まった当初は、300Ωのリボンフィーダー線とよばれるものが使用されていました。その後、UHF放送が開始されるに伴って、200Ωのメガネフィーダー線が用いられるようになり、その後次第に75Ωの同軸ケーブルが使われるようになっていきました。

現代においては、フィーダー線はほとんど使用されておらず、同軸ケーブルが使われています。

層が多ければその分ノイズが少なくなる

同軸ケーブルの構造では、一般的に4つの層から成り立っています。内側から順番に、内部導体・絶縁体・外部導体・保護被覆の順になっています。

ただ物によっては、5層になっているものや6層になっているものも存在します。こうした通常より層の多いものに関しては、ノイズが少なくなるといった特徴があります。ノイズが軽減される理由として、層が多くある分外部からのノイズから中心軸を守ってくれる役割があるためです。

そのほかには、アルミ箔が巻かれているものもあり、より漏洩を少なくすることができます。

適切な長さ・太さのケーブルを選ぶ

同軸ケーブルの太さはさまざまで、具体的には、「3C」「4C」「5C」などで表記されます。数字が大きくなるほど、太くなっていきます。

太さについてですが、太ければ太いほど外側の保護層が厚くなり、電波が弱まるのを防ぐ役割があります。その代わり、ケーブルそのものが曲がりにくくなり、扱いにくくなってしまうといったデメリットもあります。そのため、機器をつなぐ距離によって使い分けを行うことが必要になります。

3C・4C・5Cについて、確認してみましょう。

3Cの長さは3m以下が適切で、アンテナ部品およびチューナー間の接続といった短距離での接続に向いています。

4Cは、10m以下が適切で、コンセントから機器間といった、テレビ配線を行う際に向いています。

5Cは、ケーブルの長さとして10~20m程度が適切で、一戸建てにおけるアンテナからコンセントや部屋と部屋の接続に向いています。

放送に適したものを選ぶ

同軸ケーブルは、地デジやBS・CSなど放送の種類によって使用するものが変わってきます。自身が視聴したい放送を明確にしたうえで、電波受信方法に合うケーブルを選んでください。

最近では、4Kや8Kといった高画質でテレビを見ることができますが、4Kや8Kの放送は高周波帯域のため、周波数が大きくなればそれだけ電気信号の減衰が起こりやすいため、しっかりと対応したものを選びましょう。

コネクタに関する注意点

コネクタに関する注意点

ケーブルとセットで用いられるコネクタについても、正しいものを選ぶ必要があります。コネクタにも種類がいくつかあるため、間違ったものを選んでしまうと接続することができないため注意が必要です。

同軸コネクタは、同軸ケーブルと家電を繋ぐパーツのことを指します。何と接続するかによってコネクタの形状が変わってくるため注意しましょう。コネクタの形状は国際規格で定められています。

・BNCコネクタ

こちらのコネクタは、AV機器と接続を行う場合に使われます。その他のコネクタよりも小さいのが特徴です。

・Nコネクタ

無線機器などに使われます。サイズは大きいのが特徴です。

・SMAコネクタ

こちらは、ラジオやトランシーバーなどで使われます。

・F型コネクタ

テレビでよく使われます。

テレビで使用する場合は、F型コネクタが主流となっています。F型コネクタのケーブル・端子は、アンテナ線やアンテナ入力、アンテナ端子とよばれることもあります。これらはテレビとアンテナをつなぐためのコネクタのことです。

また、プラグの形状についてもいくつか種類があることに注意しましょう。接続する装置がどういった場所でどういった向きで使うのかによって選ぶ形状が変わってきます。

・L字型プラグ

垂直面に差し込み口がある場合に適しています。

・ストレートプラグ

差し込み口が下向きになっている場合に適しています。

・ネジ式プラグ

差し込み口がネジ切りになっており、抜けにくい仕様になっています。

まとめ

ここまで、同軸ケーブルに焦点を当て、さまざまな観点から解説をしてきました。同軸ケーブルの基礎について理解できましたでしょうか?普段何気なくテレビなどで使用している同軸ケーブルですが、知識を深めていくことで奥深さを感じることができます。正しい知識を習得することで、ケーブルを選ぶ際の失敗もなくなります。

同軸ケーブルは、使用用途によって選び方が変わってきます。使いたいシーンに合わせて、選びましょう。